一流になりたい。名前を聞いたら誰もが一流と感じるような。

144試合、一年間を通して気持ちを切らさずにモチベーションを保つことがプロには一番大事な能力。

練習で心がけていることは。
日々の練習でもっとも大事にしていることは、集中力です。僕は短い時間で思いっきり集中する。量とか質とかも考えないです。ただ没頭する。例えば、守備をやっているときは守備のことしか考えない。守りの練習をしながらバッティングフォームのことを考えたりはしません。逆にバッティング練習の時はバッティングのことだけをひたすら考える。これは、プロになってから引退された宮本さんに「集中力を大事にした方がいいよ」って助言されて、それから意識するようになりました。
山田 哲人

山田 哲人

1992年7月16日生まれ 22歳
2014年シーズン、日本人右打者としてシーズン最多となる193安打の日本新記録を樹立。打率324、本塁打29本は、ともにセ・リーグ3位の記録。

自分のプレースタイルとは。
僕は走攻守すべての面を見てほしいと思っています。バッティングだけじゃなく、もちろん守備だけでも、走塁だけでもなく、すべて。それが僕の持ち味でもあるので。
走塁について。
ただ単に走るんじゃなくて、先の塁を常に狙うことを心がけています。走塁は、速いだけじゃダメなんです。打球の方向や敵の守備位置など、あらゆることを判断しながら走ることが走塁だと思います。
打撃について。
僕は打撃練習が一番好きですね。遠くまで飛ばすのって気持ちいいじゃないですか。でも、試合ではとにかく“ヒットを打つ”ことだけに集中するんです。単純にヒットを打つ!って。例えば、ランナーが二塁とか三塁とか得点圏にいたとしても、ランナーを絶対に返すぞとは考えない。ランナーがいてもいなくても、自分がヒットを打つことだけを考える。返す気持ちはないんです。どこにランナーがいようが、シンプルにヒットを打てばいい。あのランナーを返してやろうとか思ったことないんです。
山田 哲人
守備について。
守備は“安定感”ですね。周りの人が見ていて、山田のところにボールが飛んだら大丈夫だっていう信頼を得ることが大事だと思います。そのためにもエラーをしない。上手くやるっていうよりも確実性ですね。あと、最近は守備練習をやるよりも体幹を鍛えた方が守備がうまくなる感覚があります。踏ん張るところで踏ん張れるようになったりと、体幹によって守備力が上がりました。
プロに必要な能力とは。
一番は、144試合、年間を通して気持ちを切らさない能力です。技術どうこうよりも、モチベーションとか、気持ちの切り替えが大事だと思います。たとえどんなに打つバッターでも5打席全部凡退で終わる日もある。でもプロは次の日も、また次の日も試合があるので、そのままズルズルといかないように、割り切るというか、開き直る。僕はそこがずっとできなくて、2年目の時とかは一度ハマりだすと落ちていく感じでした。ファンの野次とかにも反応してしまって「あー、言われてる」って。でも3年目の時にコーチから切り替えが大事って言われてからは、開き直れるようになりました。
壁にぶつかった時は。
とにかく今の思いを、正直は気持ちを、全部ぶちまけます。コーチだったり、身近な人に。どうしよう、どうしよう、どうしようって一人で抱え込まずに、僕は誰かに聞いてもらうことで乗り越えますね。
これからの目標は。
率直に一流になりたい。そのプレーヤーの名前を聞いたら、誰もが一流と感じるような。一流選手といったら誰?と問われた人が、僕の名前をあげるようなそんな選手になりたいですね。そして、毎年何かで一番になりたい。僕は打ちたいし、守りたいし、走りたいプレーヤーなので、首位打者を取りたいとか、最多安打を取りたいとかいう気持ちはなくて、とにかく毎年何かで一番になることを目指します。

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